ママの自由時間が少ない今、家庭でできる「休む力」と「粘り強さ」の育て方
子育て中のママの2割以上が、1日の自由時間を「ない」「30分未満」と回答した調査をもとに、忙しい家庭でも無理なく続けられる休み方、子どもの自己肯定感や粘り強さにつながる関わり方を整理します。
子育て中の「自由時間」は、思っている以上に少ない
家事、育児、仕事、きょうだい対応、園や学校の準備。毎日を回すだけで精いっぱいで、「自分の時間なんて、いつ取ればいいの?」と感じている保護者の方は少なくないかもしれません。
まいどなニュースで紹介された調査では、株式会社インタースペースが運営するママ向け情報サイト「ママスタ」の情報発信メディア「ママスタセレクト」が、子どもがいる、または妊娠中の831人を対象に、2026年5月にアンケートを実施しました。
「自分の『自由時間』は1日にどれくらいありますか?」という質問に対して、回答は次のように紹介されています。
- 「ない」:11.0%
- 「30分未満」:13.6%
- 「ない」「30分未満」を合わせると、全体の2割以上
- 「30分〜2時間未満」:30.3%
回答者の声としては、「もし時間があれば寝落ちするまで動画を見たい!」という本音や、スマホでゲーム、SNS、漫画、推しの動画、録画したドラマを見るといった短時間の気分転換が挙げられていました。なかには、コンビニに行くような短い買い物を自由時間として使っているケースも紹介されています。
この調査から言えるのは、少なくとも回答者のなかには、自由時間を十分に持てていない人が一定数いるということです。一方で、この調査だけから「自由時間が少ないから親子関係に必ず影響する」「子どもの発達にこうした結果が出る」といった因果関係までは判断できません。
それでも編集部では、この結果を「保護者の休息を家庭の中でどう守るか」を考える大切なきっかけとして受け止めています。
自由時間は「ぜいたく」ではなく、家庭を回すための土台
子育て中は、子どもを優先する場面がどうしても多くなります。けれど、保護者がずっと後回しになり続けると、「もう少し頑張ればできるはず」と自分を追い込みやすくなります。
ここで大切にしたいのは、自由時間を「何か立派なことをする時間」と考えないことです。
- ぼーっとする
- 温かい飲み物を飲む
- スマホで漫画を読む
- 好きな動画を少し見る
- 家族に話しかけられずに座る
こうした時間も、十分に「自分のための時間」です。調査でも、短い時間のなかでスマホを使って気分転換している声が紹介されていました。スマホ時間は一律に悪いものではなく、疲れた心をゆるめる手段になることもあります。
ただし、気づいたら寝る時間が削られてしまう、見終わったあとにかえって疲れる、子どもとの約束を何度も先延ばしにしてしまう場合は、使い方を少し見直してもよいかもしれません。「楽しむために使う」「終わったあとに少し軽くなる使い方を選ぶ」と考えると、罪悪感を持ちすぎずにすみます。
子どもの自己肯定感に伝わる「休んでもいい」のメッセージ
子どもの自己肯定感を育てるうえで、家庭の中にどんな空気があるかはとても大切です。ここで言う自己肯定感とは、「できたときだけ価値がある」ではなく、「疲れた日も、うまくいかない日も、自分は大切にされている」と感じられる土台のことです。
保護者がいつも無理をして、限界まで頑張り続けていると、子どもは知らず知らずのうちに「休むのはよくないこと」「迷惑をかけてはいけない」と受け取ることがあります。もちろん、すべての子どもがそう受け取るわけではありません。けれど家庭の中で、保護者が「今日は少し疲れたから休むね」「あと10分だけお茶を飲んだら一緒にやろう」と言葉にすることは、子どもにとっても大切な学びになります。
それは、「人は疲れることがある」「休んでからまた動けばいい」という、生活の中の現実的なメッセージです。
子どもに粘り強さを育てたいときも、休むことを否定しない姿勢は役立ちます。粘り強さは「絶対に休まないこと」ではありません。むしろ、疲れたときにいったん立ち止まり、自分の状態を見て、必要なら助けを求め、また取り組む力として考えると、家庭でも無理なく育てやすくなります。
忙しい家庭でも続けやすい「小さな自由時間」の作り方
まとまった1時間を確保しようとすると、忙しい家庭ではハードルが高くなります。そこでおすすめしたいのは、最初から「短くていい」と決めることです。
1. まずは3分だけ「何もしない時間」を作る
子どもが寝たあと、朝起きてすぐ、夕食後の片づけ前など、タイミングはいつでもかまいません。大切なのは、家事のついでにしないことです。
たとえば、
- キッチンで立ったまま深呼吸する
- 洗濯物をたたむ前に座る
- トイレや洗面所で少しだけひとりになる
- 飲み物をひと口、味わって飲む
「これだけ?」と思うくらいで十分です。自由時間がほとんどない家庭では、まず「自分のために止まる」感覚を取り戻すことが第一歩になります。
2. 自由時間を「見える予定」にする
家族にとって、保護者の休憩は見えにくいものです。だからこそ、予定として言葉にしておくと守りやすくなります。
例としては、
- 「夕食後の10分は、お母さんの休憩時間ね」
- 「お風呂の前に、5分だけ座る時間をください」
- 「この動画を1本見たら、また家事に戻るね」
ポイントは、長時間を求めすぎないことです。家族が受け入れやすい短さから始めると、「休憩は家庭の中にあっていいもの」と共有しやすくなります。
3. 子どもにも「待つ練習」を小さく渡す
保護者が短く休む時間は、子どもにとって「待つ」「自分で遊ぶ」「相手にも都合があると知る」機会にもなります。
ただし、年齢やその日の疲れ具合によって、待てる時間は変わります。最初から長く待たせるのではなく、「砂時計が終わるまで」「この曲が終わるまで」「絵本を1冊見ている間」など、子どもに分かりやすい区切りを作るとよいでしょう。
うまく待てたら、「待っていてくれて助かったよ」と具体的に伝えます。これは、子どもをほめるためだけでなく、「自分の行動が家族の役に立った」と感じるきっかけになります。
粘り強さと「休む判断」のバランス
子どもに「最後まで頑張る力」を育てたいと願う保護者は多いものです。一方で、無理をさせすぎると、取り組むこと自体が苦しくなる場合もあります。
家庭では、次のように考えるとバランスが取りやすくなります。
続けてもよさそうなとき
- 子どもが「もう少しやってみる」と言っている
- 少し手伝えば再開できそう
- 失敗して悔しがっているが、休憩後に話を聞ける
- 体調や眠気に大きな問題がなさそう
- 保護者も落ち着いて見守れる
このようなときは、「あと1回だけやってみる?」「どこを手伝ったら続けられそう?」と、負担を小さくして再挑戦につなげます。大事なのは、結果ではなく工夫に目を向けることです。
声かけの例としては、
- 「さっきより少し考え方を変えたね」
- 「難しいところを教えてくれたから、一緒に考えられたね」
- 「休憩してから戻ってこられたのがいいね」
こうした言葉は、「できた・できない」だけでなく、取り組み方そのものに価値があると伝える助けになります。
休んだほうがよさそうなとき
- 眠い、空腹、体調不良がありそう
- 泣き方や怒り方が強く、話が入らない
- 「やりたくない」が長く続いている
- 保護者自身が強いイライラや疲れを感じている
- 安全面に不安がある
このようなときは、粘るよりも休む判断を優先します。「今日はここまで」「明日また見よう」「いったん水を飲もう」と区切ることは、甘やかしではありません。
むしろ、「自分の限界に気づいて調整する」ことも、子どもに身につけてほしい大切な力です。頑張る力と休む力は、反対ではなくセットで育てていくものです。
親子で使える「がんばる・休む」の合図
忙しい家庭では、その場で毎回ていねいに話し合う余裕がない日もあります。そこで、あらかじめ親子で合図を決めておくと便利です。
たとえば、
- 「黄色信号」:少し疲れてきた、手伝ってほしい
- 「赤信号」:今日はもう休みたい
- 「もう1回カード」:あと1回だけ挑戦する
- 「おやすみカード」:いったん終わりにする
カードを作らなくても、言葉だけで十分です。大切なのは、休む合図を「負け」や「わがまま」と扱わないことです。
保護者も同じ合図を使ってよいでしょう。「お母さん、今は黄色信号だから5分休むね」と伝えると、子どもは大人も自分の状態を見ながら過ごしていることを知ります。
完璧な自由時間より、「戻れる場所」を作る
調査で紹介されたように、自由時間が「ない」「30分未満」という人は少なくありません。だからこそ、毎日きれいに休もう、理想的な時間を作ろうとしなくて大丈夫です。
昨日はできたのに今日はできない。休むつもりが寝落ちしてしまう。スマホを見すぎてしまう。そんな日もあります。
大切なのは、「また明日、少し整えればいい」と戻れることです。これは子どもの学びにもそのまま重なります。失敗しても終わりではない。休んでもまた始められる。家庭の中でその感覚を共有できると、子どもは安心して挑戦しやすくなります。
保護者の自由時間は、単なる息抜きではなく、家庭の中に「無理をしすぎない」「自分を大切にしていい」という価値観を置く時間でもあります。
忙しい毎日の中で、まずは3分から。できる日だけでかまいません。保護者が自分を少し大切にすることは、子どもにとっても、「大切な人は休んでいい。自分も休んでいい。そして、またやってみればいい」という温かな学びにつながっていきます。
参考URL「子育て中のママに聞いた「自分の自由時間」は1日にどれくらい? 2割以上が「30分未満」と回答、最多は?(まいどなニュース)|dメニューニュース」を見る
